觀相は時に臨み変に応じて判断すべきことが多い。

若いころ、ある人の相を見た。額角生え際を見ると豆粒程の肉が幽(かす)かな赤糸の血の散ったように見えた。そこで「他国へ行って必ず高い所から落ちて大怪我をするであろう」と断じた。その人笑って云うのにあ「屋根茸(ふき)職人であって他国へ行くことなどない」と。その三日後その男が屋根から落ちて大怪我をしたのである。ただ「怪我をする」とだけ述べておけば大当りであった。過信から目が眩(くら)み、一つ残らず的中させ人々の耳目を驚かそうと思うと、必ず大変な間違いを犯す。 觀相にあたってはまずその人物の家業万端をよく見定めて、さらに深く考えをこらしてから判断しなければいけない。

よい相を見てそれを告げない相者を名人という。決して人を失敗に導くことがないのである。また相を見て「よい相」をすぐ告げる相者があるがこれを「相者の下手」という。

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